ブラジルの国家データ保護局(ANPD)は、Meta(Facebookの親会社)による同国国民のデータを用いたAIアルゴリズムのトレーニングを禁止する「予防措置」を発表しました。この決定により、Metaが先月、ユーザーデータの処理に関する説明にAIトレーニングを追加したプライバシーポリシーの変更は直ちに停止されました。
ANPDは、「予備的な分析の結果、ユーザーに深刻で修復不可能なリスクが生じる可能性があるため、プライバシーポリシーと処理操作の一時停止を命じます」と述べています。ANPDは、Metaの「個人データ処理に関する不十分な法的根拠」に不満を示しており、ザッカーバーグCEOは、同社の正当な利益を理由に弁明したと伝えられています。
ANPDは、「特にセンシティブな個人データの処理においては、そのような根拠は許されません」と述べています。ブラジルの当局は、Metaのプライバシーポリシー変更における不十分な開示、ユーザー権利の過剰な制限、適切な保護措置なしでの未成年者データの処理についても不満を示しています。
ANPDは、Metaがブラジルの「一般データ保護法」に違反している疑いがあるとして、ブラジル国民のデータ処理に関する問題を最初に発見し、「十分な予備調査の結果」に基づいて決定を下しました。
Metaは、自社の行為はブラジルのプライバシー法規に準拠していると述べ、ANPDと協力して問題解決を継続すると表明しています。Metaの広報担当者はまた、「AIトレーニングは当社のサービス特有のものではなく、多くの業界の同業者よりも透明性を高めており、彼らは常に公開コンテンツをモデルや製品のトレーニングに使用しています」とも述べています。「これはイノベーション、AI開発競争、そしてAIの恩恵をブラジル国民にもたらすための後退です」と、Metaの広報担当者は付け加えています。
ブラジルは世界最大のFacebookユーザー数の国の一つであり、2024年4月現在、プラットフォームのユーザー数は約1億1200万人と推定され、インド、アメリカ、インドネシアに次いでいます。
要点:
- 📛ブラジル国家データ保護局は、Metaによる同国国民データを用いたAIモデルのトレーニングを禁止。
- 📛ANPDは、Metaの「個人データ処理に関する不十分な法的根拠」をセンシティブな個人データの処理に適用できないと判断。
- 📛Metaの広報担当者は、自社の行為はブラジルのプライバシー法規に準拠しており、ANPDと協力して問題解決を継続すると表明。