中国とシンガポールの研究者からなる国際チームが、糖尿病の診断と治療を目的とした世界初のマルチモーダル人工知能システム「DeepDR-LLM」を開発することに成功しました。この研究成果は、2024年7月19日に「ネイチャー・メディシン」(Nature Medicine)に掲載されました。

この画期的な研究は、上海交通大学医学院附属第六人民医院の賈偉平教授と李華婷教授のチームが主導し、上海交通大学電子情報・電気工学科の盛斌教授チーム、清華大学の黄天蔭教授チーム、シンガポール国立大学の覃宇宗教授チームと緊密に協力して行われました。

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画像出典:AI生成画像、画像ライセンス提供元Midjourney

DeepDR-LLMシステムは、大規模言語モデルと深層学習技術を融合することで、医学画像診断と治療方針のマルチモーダル生成機能を実現しました。このシステムは、糖尿病網膜症の補助診断を提供するだけでなく、個別化された糖尿病総合管理の提案も行うことができます。

システムの有効性を検証するため、研究チームはアジア、アフリカ、ヨーロッパの3大陸7カ国で多施設共同後ろ向き検証を実施しました。さらに、中国の一次医療機関で前向き現実世界検証を行い、糖尿病医療におけるこのシステムの有効性に関する質の高いエビデンスを提供しました。

研究チームは、DeepDR-LLMシステムが糖尿病網膜症のスクリーニング効率と一次医療における糖尿病管理レベルを大幅に向上させ、世界的な糖尿病予防・管理に革新的なデジタルソリューションを提供すると述べています。