最近、アマゾンと人工知能スタートアップ企業Anthropicとの提携が、英国競争・市場庁(CMA)による調査の対象となりました。この調査は、アマゾンがAnthropicに40億ドルを投資した提携が市場競争に影響を与えるかどうかを調べるものです。CMAは、この提携が英国市場に悪影響を与える可能性があると判断するのに十分な情報を得ており、詳細な調査を行うことを決定しました。
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アマゾンは、この調査に失望を表明し、調査の必要性はないと主張しています。アマゾンの広報担当者は、「私たちの提携は競争上の懸念を引き起こすものではなく、CMA自身の審査基準にも合致しません」と述べています。4月から、CMAは一般からのこの提携に関する意見を収集しており、5月9日に締め切られました。CMAは今週、正式な調査開始を発表し、今後数週間で市場への影響を評価する予定で、10月4日までに、より詳細な第2段階調査に進むかどうかを決定します。
アマゾンとAnthropicの提携では、Anthropicは重要な業務とセキュリティ研究のためにアマゾンのクラウドサービス(AWS)を利用し、新しいAI基盤モデルを構築しています。アマゾンは3月、Anthropicに27.5億ドルを投資すると発表しており、これまでに累計で約40億ドルの投資を行っています。アマゾンは、このような投資によって、AnthropicがAI市場における選択肢と競争力を拡大できると考えています。
CMAの調査に対して、Anthropicも声明を発表し、不正行為を強く否定しています。Anthropicは、アマゾンが取締役会に議席を持たず、オブザーバー権限もないことを強調し、独立した企業であると主張しています。また、投資関係やパートナーシップが、企業統治の独立性や他の企業との提携の自由度に影響を与えることはないとも述べています。
さらに、CMAは最近、グーグルとAnthropic間の同様の調査も開始しました。グーグルは昨年、Anthropicと提携し、グーグルのAIプロセッサがAnthropicの大規模言語モデル(LLM)の開発に使用されています。これは、アマゾンとグーグルが人工知能、クラウドコンピューティングなどの分野で激しい競争を繰り広げていることを示しています。
要点:
✅ CMAはアマゾンとAnthropicの提携について調査を開始し、市場競争に影響を与える可能性があると判断。
✅ アマゾンは失望を表明し、提携が競争上の懸念を構成するものではないと主張。
✅ Anthropicは独立性を強く主張し、アマゾンとの取締役会関係がないことを強調。