この度、LGのAI研究部門は、韓国初のオープンソースAIモデル「Exaone3.0」を発表しました。このモデルは78億個のパラメータを持ち、韓国語と英語のタスクで優れた性能を発揮します。AI研究の加速と、韓国における強力なAIエコシステムの構築を目指しています。

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これまで家電製品で知られてきたLGですが、今回の戦略転換は、AIイノベーション分野での地位確立を目指す姿勢を示しています。Exaone3.0をオープンソース化することで、LGは技術力を示すだけでなく、クラウドコンピューティングとAIサービスにおける新たな収益源を開拓する可能性があります。

Exaone3.0の発表は、世界的なAI競争が激化する時期に当たります。その競合他社には、中国アリババのQwenやUAEのFalconなどのオープンソースAIモデルが含まれます。Qwenは6月に大幅なアップデートを受け、現在9万社を超える企業顧客を抱え、Hugging FaceなどのプラットフォームでMetaのLlama3.1やMicrosoftのPhi-3を上回る優れた成績を収めています。一方、UAEのFalcon2は、複数のベンチマークテストでMetaのLlama3を上回ると主張しています。

LGのオープンソース戦略は、クラウドビジネスの成長と商業化を促進するためにオープンソースAIを採用するアリババなどの中国企業の手法と似ています。強力なオープンソースモデルを提供することで、LGは開発者や企業が自社のプラットフォーム上でアプリケーションを構築することを促し、AIとクラウドインフラストラクチャの幅広い採用を促進できると期待されています。

性能面では、LGはExaone3.0の推論時間が56%減少し、メモリ使用量が35%減少し、運用コストが72%減少したと主張しています。これらの改善は、競争の激しいAI市場において非常に重要です。このモデルは6000万件の専門データ(特許、コード、数学、化学などの分野を含む)でトレーニングされており、年末までに1億件に拡大する予定で、多機能で強力なAIシステム構築へのLGの決意を示しています。

Exaone3.0の成功は、AI市場の状況を変え、LGに多様なAIとクラウドサービスの収益をもたらし、韓国が世界のAI舞台で発言力を高める可能性があります。オープンソースの普及は、高度なAI技術の普及を促進し、あらゆる業界や地域のイノベーションを促進します。

今後数ヶ月間、Exaone3.0の影響力は、技術仕様だけでなく、開発者、研究者、企業がその能力を活用して繁栄するエコシステムを形成できるかどうかにもかかっています。

論文アドレス:https://arxiv.org/pdf/2408.03541

要点:

🌟 LGがExaone3.0を発表。韓国初のオープンソースAIモデルとなり、国家AIエコシステムの発展を促進します。

📈 Exaone3.0は、世界中の複数のオープンソースAIモデルと競合し、技術力と市場地位の向上を目指します。

💡 オープンソース戦略により、LGはクラウドコンピューティング事業の拡大と、開発者や企業によるプラットフォーム利用を促進します。