最近、国際データコーポレーション(IDC)が最新の「世界のAIおよび生成AI支出ガイド」を発表しました。報告書によると、2028年までに世界のAI支出は6320億ドルを超えると予測されており、非常に急速な成長が見込まれています。具体的には、この期間の年平均複合成長率は29.0%に達すると予測されています。IDCのリサーチバイスプレジデントであるRitu Jyoti氏は、AIの幅広い応用が、従業員体験、顧客とのインタラクション、業務プロセスなど、企業の多様な側面における変革を推進していると述べています。
ここ1年半、生成AI(GenAI)が注目を集めていますが、実際には、GenAIの支出は、機械学習、深層学習、自然言語処理などの他のAIアプリケーションよりも依然として低くなっています。しかし、GenAIへの投資の成長率は注目に値し、今後5年間の年平均成長率は59.2%に達すると予測されています。IDCは、2028年までにGenAIの支出が2020億ドルに達し、全体AI支出の32%を占めると予測しています。
様々な技術カテゴリの中で、ソフトウェア支出が主導的な地位を占め、大部分の期間において全体AI市場の半分以上を占めると予測されています。その中でも、AIアプリケーションとAIプラットフォームがソフトウェア支出の3分の2を占め、残りはAIアプリケーション開発、展開、AIシステムインフラストラクチャソフトウェアに充てられるでしょう。ハードウェアに関しては、サーバー、ストレージ、インフラストラクチャ・アズ・ア・サービス(IaaS)を含む支出も比較的大きくなると予想されます。
業界別に見ると、金融サービス業界がAIソリューション支出の最大の受益者となり、全体支出の20%以上を占めると予測されています。次に大きな支出を行う業界は、ソフトウェアおよびサービス、そして小売業界です。IDCはまた、商業・個人サービス業界や運輸・レジャー業界のAI支出の成長率が比較的速くなると指摘しています。
利用シーンに関しては、AIインフラストラクチャの提供が、多くの企業にとって主要な投資分野となるでしょう。ただし、年平均成長率は14.7%と比較的遅い成長が見込まれています。一方、不正行為分析の強化、カスタマーサービス、アシスタントサービスなどは、より高い成長率を示すと予想されます。
IDCのリサーチマネージャーであるKaren Massey氏は、2028年までに米国の支出が3360億ドルに達し、世界最大のAI投資市場になると予測しています。西ヨーロッパ、中国、アジア太平洋地域(日本と中国を除く)がそれに続きます。AI分野の投資の可能性は大きく、将来の発展は期待に値します。
要点:
🌍 世界のAI支出は2028年までに6320億ドルに達すると予測され、年平均成長率は29.0%です。
💰 金融サービス業界が全体AI支出の20%以上を占め、最大の支出業界となります。
🚀 生成AIの支出成長率が最も速く、今後5年間の年平均成長率は59.2%に達します。