ミュンヘンに拠点を置くドローンメーカー、クアンタムシステムズ(Quantum Systems)は、最近シリーズBの追加資金調達ラウンドを完了し、ion Capitalとポルシェ・ホールディングから新たな投資を受けました。この資金調達ラウンドでは1億1000万ユーロ超を調達し、当初目標の7100万ユーロを上回りました。主要投資家はHV CapitalとDTCPで、Project A、ティールキャピタル(Thiel Capital)、バイエルン州成長ファンド(ScaleUp Fonds Bayern)、Omnes Capital、そして中国のバスメーカーのベンチャーキャピタルなど、既存の投資家も参加しました。
画像出典:AI生成画像、画像ライセンスプロバイダーMidjourney
クアンタムシステムズは、この新たな資金を国際展開の加速とイノベーションの推進に充てると述べています。生産能力の向上、ソフトウェアと人工知能(AI)分野の研究開発への投資拡大を予定しています。クアンタムシステムズのCEO兼共同創設者であるフロリアン・サイベル(Florian Seibel)氏は、「ポルシェとNotionの新たな投資家による支援により、資金だけでなく、イノベーションを促進するパートナーシップを築くことができました。これは、ヨーロッパの技術主権、安全保障、レジリエンスにとって非常に重要です」と述べています。
クアンタムシステムズのAIドローンは、鉱業、建設、農業、公益事業、公共安全、国防など、幅広い業界で活用されています。空中からセンサーデータを捕捉、分析、処理します。特にTrinity Proドローンは商用測量用に設計されており、Vector、Scorpion、Twisterなどの小型機は軍事用途に用いられています。
最近、クアンタムシステムズは、マンシングのエアバス・ドローンセンターにおいて、エアバス・ディフェンス・アンド・スペース(Airbus Defence & Space)と協力し、AI制御ドローン7機による編隊飛行試験を成功させました。この試験は、ドイツ軍のKITU2(戦術ドローンのAI)研究の一環として行われ、クアンタムシステムズのVectorとScorpionドローンをエアバスの多機能ドローンと組み合わせ、すべてのドローンの偵察データをリアルタイムで統合し、共通の状況認識図を作成、エアバスのFortion統合指揮統制(C2)戦闘管理システムに統合しました。
クアンタムシステムズの最高収益責任者兼ゼネラルマネージャーであるスベン・クルック(Sven Kruck)氏は、「私たちはドローン技術の能力拡大だけでなく、現実のシナリオで顧客やユーザーに真のメリットを提供することに重点を置いています。最終目標は兵士の保護と安全性の向上です。将来的には、ソフトウェア駆動型でAI支援されたドローンシステムが不可欠になるでしょう」と述べています。
要点:
🌍 クアンタムシステムズ、1億1000万ユーロ超の資金調達を実施。国際展開とイノベーションの加速を目指します。
🚁 AIドローンは、国防や公共安全など幅広い分野で活用されています。
🤝 新しい投資家であるポルシェとNotionが、クアンタムシステムズの技術提携と発展を後押しします。