先日発表されたGoogleの2024年版「DevOps状況報告書」によると、75%以上の開発者とIT専門家が日常業務で人工知能(AI)に頼っていることが明らかになりました。Google CloudのDevOps研究評価チーム(DORA)が実施したこの調査は、世界中の技術従事者約3000人を対象としており、技術業界におけるAIの急速な普及を示しています。
画像出典:AI生成画像、画像ライセンス提供元Midjourney
報告書によると、回答者の76%がAIを使用してコード作成、情報要約、コード解釈などのタスクを行っていると回答しました。さらに、81%の参加者が、自社がAI開発にリソースを投入していると述べており、AIが技術進歩を促進する重要な力になりつつあることを示しています。
さらに注目すべきは、AIの活用が複数のポジティブな業務指標と正の相関関係にあるという調査結果です。約67%の開発者がAIがコード品質の向上に役立つと考えており、データによると、AI導入率が25%向上すると、ドキュメント品質が7.5%、コード品質が3.4%向上し、コードレビュー速度と承認速度はそれぞれ3.1%と1.3%向上しました。さらに、コードの複雑さも1.8%減少しました。
しかしながら、調査ではAIの使用に伴う新たな課題も示されています。研究者によると、約40%の専門家がAI生成コードに対して「ほとんど信用していない」または「信用していない」と回答しており、AI技術の統合においては、より多くの注意と管理が必要であることを示唆しています。特にデリバリーの安定性の問題が顕著で、データによると、AIの導入によりデリバリーのスループットが1.5%低下し、デリバリーの安定性が7.2%低下しました。研究者らは、開発プロセスの改善だけでは、特に効果的なテストメカニズムがない場合は、ソフトウェアデリバリーのパフォーマンスが自動的に向上するわけではないと強調しています。
そのため、研究チームは、AI開発時代において、従業員の負担軽減、明確なAI利用ガイドラインの策定、従業員によるAIツールの継続的な探求とAIへの信頼感の向上を促進するなど、変革管理対策を講じる必要があると提案しています。
注目すべきは、回答者の89%が内部開発プラットフォームを使用しており、専用のプラットフォームチームがある企業では、チームの生産性が平均6%向上しているという調査結果です。研究者らは、良好な開発者エクスペリエンスの構築が非常に重要であり、健全な企業文化が職業倦怠感を軽減し、業務効率と満足度を高めるのに役立つと強調しています。
要点:
🔍 開発者の75%以上がAIに依存している一方で、約40%のユーザーがAI生成コードを信用していない。
📊 AIの活用によりコード品質と業務効率が向上する一方で、デリバリーの安定性が低下している。
💡 企業はAI統合を積極的に管理し、従業員の能力を高め、AIツールの探求と活用を促進する必要がある。