Meta(旧Facebook)は先日、2023年第3四半期の決算を発表しました。主力事業は好調でしたが、メタバース部門の巨額損失が投資家の懸念を招き、株価は時間外取引で3%以上下落しました。

この決算は、Metaの複雑な成長のジレンマを示しています。データによると、9月30日までのMetaの第3四半期の売上高は406億ドルで、前年同期比19%増となり、市場予想の403億ドルを上回りました。しかし、メタバース事業であるReality Labs部門は業績の足を引っ張り、同期の損失は44億ドルに達しました。

メタバース SF

画像出典:AI生成画像、画像ライセンス提供元Midjourney

巨額の損失にもかかわらず、Metaは将来に自信を持っています。第4四半期の売上高は450億~480億ドルと予想しており、市場予想の460億ドルをやや上回っています。注目すべきは、Metaの株価は今年に入ってから67%上昇し、S&P500指数で最も好調な銘柄の一つとなっています。

MetaのCEOであるマーク・ザッカーバーグ氏は、業績の伸びをAI技術の活用によるものだと説明しています。Metaは、大規模言語モデルをサポートするチャットボット、ソーシャルアプリのインテリジェントアシスタント、AI駆動型スマートグラスなど、複数の分野でAIを展開しています。これらのプロジェクトは短期的に収益化が難しいものの、AI技術は既に広告ターゲティングやコンテンツレコメンドにおいて顕著な改善をもたらしています。

今後、MetaはAIへの投資をさらに拡大する計画で、2025年までに資本支出を大幅に増加させる見込みです。この戦略は、同社がメタバースからAIへの転換を図り、新たな成長エンジンを探していることを示しています。しかし、長期的な投資と短期的な収益圧力のバランスを取ることは、Metaの経営陣にとって重要な課題となるでしょう。