先日、エスティローダー・カンパニーズ(Estée Lauder Companies、略称ELC)は、テクノロジー企業OpenAIとの提携を発表しました。これは、人工知能(AI)技術を活用し、傘下の数々の有名ブランドの深い洞察を解き明かすことを目的としています。

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画像出典:AI生成画像、画像ライセンスプロバイダーMidjourney

これらのブランドには、エスティローダー、クリニーク、ラ・メール、ボビイブラウンコスメティックス、アヴェダなどがあります。今回の提携により、エスティローダーは全ブランドで生成系事前学習済み変換器(GPT)を導入し、より多くのチームがAIによる洞察と創造性を活用して、業務効率を向上させることができます。

エスティローダーは長年にわたり、業務プロセスにChatGPTを段階的に導入し、240種類以上のカスタムGPTを作成してきました。これらのGPTツールにより、従業員は製品開発とマーケティングをより効果的に行い、最新のスキントリートメントや美容トレンドに沿った対応が可能になっています。

中でも特に注目すべき用途の1つに「香水洞察GPT」があります。これは、香水開発チームが消費者調査から貴重な洞察を抽出するために開発されました。膨大な消費者調査データセットを分析することで、トレンドや好みを明らかにし、ELCが様々なニーズに対応した製品を設計するのに役立っています。

エスティローダーの香水洞察ラボでは、「臨床試験データGPT」も導入されています。このツールは、数千件の臨床試験レポートからスキンケア製品の有効性データ(例えば、特定製品の即時保湿改善率を簡単な検索で特定するなど)を迅速に抽出することができます。

さらに、ELCはブランド別にカスタマイズされた文案作成支援ツールとなる専用の文案作成GPTも開発しており、複数のプラットフォームで詳細で意味のある、ブランドイメージに沿ったコンテンツを生成します。「サプライヤー・スナップショット生成器GPT」も開発されており、各サプライヤーの基本情報、ELCの購買履歴、その他の関連情報をまとめています。

ELCがChatGPTエンタープライズ版を広く採用したことで、従業員の創造性が刺激され、現代の消費者のニーズにより良く対応できるようになりました。エスティローダーの最高データ責任者兼エンタープライズマーケティング担当執行副社長であるジェーン・ロウダー(Jane Lauder)は、「OpenAIとの提携により、ChatGPTエンタープライズ版を利用し、75年以上にわたる貴重なデータ資産を保護することができます。AIにより、市場をリードする製品をより大規模かつ効果的に展開できます。」と述べています。

さらに、ELCは今年4月、マイクロソフトと協力してAIイノベーションラボを設立し、両社のグローバル戦略的関係をさらに強化しました。マイクロソフトのAzure OpenAIサービスを活用し、ELC傘下の20以上の高級美容ブランドと消費者のつながりを強化し、製品の市場投入速度を加速させるためのソリューションを開発しています。

要点:

🌟 エスティローダーとOpenAIが提携し、AI技術を活用してブランドの洞察力と創造性を向上。

📊 240種類以上のカスタムGPTを開発し、従業員の効率的な製品開発とマーケティングを支援。

💡 AIイノベーションラボの設立により、エスティローダーと消費者の緊密なつながりがさらに促進。