テスラのCEO、イーロン・マスク氏は、自身の新たなスーパーコンピューターを支えるAIチップ獲得に全力を注いでおり、その動きはNVIDIAの生産能力を限界にまで押し上げています。

ウォールストリートジャーナルの報道によると、NVIDIAの営業担当者が社内メールで、マスク氏のチップ需要が同社のサプライチェーンに圧力をかけていると述べています。NVIDIAの広報担当者は、「当社はすべての顧客のニーズを満たすよう努めており、現在利用可能な供給量を大幅に増強しました」と述べています。

スーパーコンピューター データセンター (3)

画像出典:AI生成画像、画像ライセンス提供元Midjourney

マスク氏は9月、自身のAIスタートアップ企業xAIが、わずか122日で「Colossus」と呼ばれるトレーニングクラスタを稼働させたことを発表しました。Colossusは「世界最強のAIトレーニングシステム」と謳われ、その中核は10万個のNVIDIA H100トレーニングチップです。マスク氏はまた、今後数ヶ月でクラスタの規模を倍増させ、20万個のチップ(うち5万個はより強力なH200ユニット)にする予定だと述べています。

現在、OpenAIやMetaなどのAI競合他社も数十万個のNVIDIAチップを保有していますが、Colossusは世界で最も多くのプロセッサを搭載した単一のAI計算クラスタです。9月、オラクル社の創設者ラリー・エリソン氏は投資家向けイベントで、マスク氏と夕食の席でNVIDIAのCEOであるジェンスン・フアン氏にAIチップの追加供給を「懇願」したことを明らかにしました。

エリソン氏は当時を振り返り、ユーモラスに「私たちの金を、いや、もっと金をください。もっとチップが必要です」と話したそうです。最終的に、彼らの努力は実を結んだようです。

xAIのスーパーコンピューターは、次世代の大規模言語モデルGrokのトレーニングに使用されます。GrokはOpenAIのGPT-4と競合することを目指しています。今年5月、xAIはアンドリーセン・ホロウィッツやセコイア・キャピタルなどの有力投資家から60億ドルの資金調達を行い、評価額は240億ドルに達しました。最近では、さらに60億ドルの追加資金調達を行い、評価額を500億ドルに引き上げる計画があると報じられています。

要点:

🌟 マスク氏のxAIスーパーコンピューターColossusは10万個のNVIDIA H100チップを使用し、世界最強のAIトレーニングシステムと謳われています。

💰 マスク氏とオラクル創設者のエリソン氏は夕食の席でNVIDIAにチップの追加供給を要請し、一定の成果を上げています。

🚀 xAIは60億ドル以上の資金調達を行い、OpenAIのGPT-4と競合する大規模言語モデルGrokの開発を目指しています。