ニューヨークで開催されたロイターNEXT会議で、グーグルの親会社であるアルファベットの社長兼最高投資責任者であるルース・ポラット氏は、グーグルが現在最も注力している投資分野は、オンライン検索における人工知能(AI)の活用であると述べました。自動運転車や量子コンピューティング分野で先頭を走ってきたテクノロジー大手であるグーグルは、現在、その中核事業である検索エンジンに焦点を当てています。
ポラット氏はインタビューで、グーグルはAI技術を用いて検索体験を向上させ、ユーザーのニーズに応える努力をしていると述べました。例えば、グーグルは既に、ユーザーの検索クエリにAIが生成した概要を導入し始めており、特に明確な答えがない質問においては、Chatなどの競合他社のプレッシャーに対抗し、検索の正確性と実用性を高めるためです。しかし、AIの活用には、AIが生成した情報が事実と異なる「幻覚」の問題など、課題も存在します。
ポラット氏は、検索エンジンの進化は継続的なものであり、検索以外にも、グーグルクラウドサービスも会社の重要な投資分野であると指摘しました。また、医療保健分野における数々のイノベーションも継続的に推進していると述べ、その中には、タンパク質の折り畳み構造を予測できるAI技術である「AlphaFold」システムが含まれており、グーグルはIsomorphic Labs部門を通じてこの技術を創薬に応用しています。さらに、AIが失明のリスクに直面する人々の視力回復を支援し、医療従事者が患者のケアにより集中できるようにすると述べました。
AI技術への投資コストは上昇を続けていますが、ポラット氏は、この技術は「世代を超える機会」を表していると述べました。グーグルは2024年に、チップ、データセンター、その他の資本支出に最大500億ドルを投資する見込みであると明らかにしました。しかし、投資にあたっては、現実的な効果とリターンの創出を重視すると強調しました。
グーグルへの市場の注目度が高まるにつれ、特に2024年の評価額の高騰を背景に、投資家たちは同社の株式価値を再評価し始め、新たな投資機会を探すことがますます重要になっています。
要点:
🌟 グーグルはAIを検索エンジンに積極的に活用し、ユーザー体験の向上と競合他社への対応を図っています。
💡 医療分野におけるイノベーションには、「AlphaFold」技術が含まれ、AIを活用した創薬と患者ケアの改善を目指しています。
📈 グーグルは2024年に関連技術分野に500億ドルを投資する見込みであり、投資効果とリターンを重視しています。