Anthropic社が最新の言語モデル、Claude3.5Haikuを発表しました。ユーザーは、Claudeチャットボットを通じて、ウェブやモバイルアプリからこのモデルを利用できるようになりました。
これまで、このモデルはAnthropicのAPIを通じて開発者のみがアクセス可能でしたが、2024年10月のリリース以来、そのコンパクトさと高い効率性から大きな注目を集めています。Claude3.5Haikuは、複数の主要なベンチマークテストで優れた性能を示し、コストパフォーマンスにも優れています。
サードパーティのベンチマーク機関であるArtificial Analysisのデータによると、Claude3.5Haikuは、最初のトークンの受信遅延時間(TTFT)において平均を上回り、約0.80秒を記録しています。一方、出力速度は毎秒65.1トークンと、やや劣るものの、コストパフォーマンスの高さは魅力です。今回のリリースは、競合他社のOpenAIやGoogleがそれぞれ新しいモデル(OpenAIはo1とo1-mini、GoogleはGemini2)を発表した時期と重なっています。
Claude3.5Haikuは、Anthropicのモデルの中で最も高速でコストパフォーマンスに優れたモデルであり、大規模データセットの処理、財務書類の分析、長文コンテキスト情報の出力など、リアルタイム処理が必要なタスクに最適です。200,000トークンのコンテキストウィンドウを備え、OpenAIのGPT-4やGPT-4oの128,000トークンを上回っており、大量の入力データも容易に処理できます。
Claudeチャットボットでは、Haikuは画像やファイル添付ファイルの分析にも対応しており、マルチメディアタスクや大規模ファイルセットを扱うワークフローの利便性を向上させています。さらに、HaikuはClaude Artifactsと統合されており、これはAI生成コンテンツをリアルタイムで操作・最適化できるインタラクティブなサイドバーです。私のテストでは、Haikuは1分以内にプレイ可能なピンポンゲームを生成しました。
しかし、Haikuにはいくつかの制限もあります。現在、ウェブブラウジングと画像生成には対応しておらず、これはOpenAIなどの競合他社と比較すると劣っている点です。また、簡単なテストでは、「イチゴテスト」で「イチゴ」の単語にある3つの「ゴ」を正しく認識できませんでした。
Claude3.5Haikuはチャットボット上で無料で利用できますが、1日のメッセージ数に制限があります。今朝行ったテストでは、無料版で約10回のやり取り(送受信合わせて20メッセージ)行ったところでAnthropicのクォータに達しました。このクォータは毎日リセットされます。より多くの利用権限と新機能への優先アクセスを得るには、月額20ドルのClaude Proプランを選択することもできます。
APIに関しては、Claude3.5Haikuは優れた性能を提供し、入力トークン100万トークンあたり0.80ドル、出力トークン100万トークンあたり4ドルという経済的な価格設定です。開発者はプロンプトキャッシュを利用することでコストをさらに削減でき、最大90%の節約が可能です。
要点:
🌟 Claude3.5Haikuモデルが全ユーザー向けに公開されました。画像とファイルの分析機能に対応しています。
💰 無料版はメッセージ数に制限があります。月額20ドルのClaude Proサブスクリプションで利用制限を解除できます。
📈 複数のベンチマークテストで優れた性能を示し、リアルタイムタスクや大規模データセットの処理に適しています。