先日、智譜(Zhipu)AI社は新たな資金調達ラウンドを成功させ、30億元(人民元)もの資金を調達しました。複数の戦略的投資家や国有資本機関が参加し、君聯資本などの既存株主も増資を行いました。今回の資金は、主に智譜基座大規模言語モデルの研究開発とアップグレードに充てられ、複雑な推論やマルチモーダルタスクの解決能力の更なる向上、そして業界エコシステムの革新と発展を推進します。
これは智譜社にとって今年2回目の資金調達です。以前の9月には、中関村科学城が主導する資金調達を受け、大規模言語モデル開発スタートアップ企業として初めて評価額200億元を突破しました。国内AI業界における智譜社のリーダーシップは更に強化され、グローバルな影響力も著しく高まっています。
市場競争の激化や技術開発の減速といった課題に直面しながらも、智譜社は新たなモデルの継続的な発表によって業界で頭角を現しました。今年6月には、GLM-4-9BとGLM-4V-9Bビジョンモデルをオープンソース化し、8月に発表されたGLM-4-Plus基盤大規模言語モデルは、言語理解や長文処理において顕著な進歩を遂げ、国際的なトップレベルに到達しました。
言語処理分野に加え、智譜社は動画生成、ビデオ通話、感情音声などのマルチモーダル製品でもブレークスルーを達成しています。特に、自律的に複雑な操作を実行し、アプリケーション間で連携できるインテリジェントエージェント製品AutoGLMは注目に値します。技術の更なる向上に伴い、特にクアルコムSnapdragonチップ上での大規模言語モデルのパフォーマンスに優れた、端末側技術分野でも競争優位性を築きつつあります。
商業化においては、智譜社は今年逆境の中、成長を遂げました。BtoB市場のAPI収益は前年比30倍以上、1日あたりのトークン消費量は150倍、有料トークン数は40倍以上に増加しました。智譜社のオープンソースプラットフォームBigmodel.cnは70万社以上の企業と開発者を獲得し、有料顧客数は20倍に増加するなど、商業化が加速しています。更に、CtoC製品である「智譜清言」は2500万人以上のユーザーを獲得し、有料機能による数千万元規模の収益が見込まれています。
将来展望として、智譜社は大規模言語モデル技術のクロスプラットフォーム展開を推進し、AIインテリジェントエージェントエコシステムファンドを設立することで、将来の市場ニーズと技術開発への対応を図ります。業界では、2025年にはAIインテリジェントエージェントが「集団協調」の時代を迎えると予想されており、智譜社はこの分野で重要な役割を果たすと期待されています。