先日開催された2024西部科技イノベーション生態発展大会において、重慶市気象局は正式に「天資・12h」人工知能(AI)気象予報大モデルを発表しました。このモデルは成渝地域の災害性降水予測に特化しており、重慶市における気象予報分野における重要な一歩を象徴するものです。

「天資・12h」大モデルは、華為盤古グローバル気象大モデルを基礎として、成渝地域の地上気象観測データと高精度地形データを融合し、グローバルモデルとリージョナルモデルを統合したアーキテクチャを採用しています。さらに、三次元地球特異トランスフォーマー(3DEST)モデル、多様なデータ融合技術、豪雨の少ないサンプルデータ処理技術などを組み合わせることで、予報精度の向上に堅実な基盤を提供しています。

雨の降る街、歩行者 (2)

画像出典:AI生成画像、画像ライセンス提供元Midjourney

この大モデルは、成渝地域の今後12時間における地上の降水量、気温、風、相対湿度を6時間ごとに予測でき、時間解像度は3時間、空間解像度は3キロメートルです。同時に、高度13気圧面におけるジオポテンシャル高度、比湿、気温、風も予測でき、時間解像度は3時間、空間解像度は25キロメートルです。

災害性降水数値モデルと人工知能融合予報のキーテクノロジー研究重点実験室主任の高郁東氏は、この大モデルの主要な予報有効期間は今後2時間から12時間の間であると説明しています。2時間以内は主に気象観測データの分析に依存しており、この時間帯は気象災害にとって非常に差し迫っているため、ほとんどの気象変化が観測できるからです。一方、12時間以降の予報は、従来の数値天気予報モデルに依然として依存しており、現在のAI大モデル技術はさらなる研究と改良が必要です。

重慶市気象台長の張炎氏は、この大モデルは超大都市の管理、低空経済、崖崩れ災害の早期警戒など、複数の分野で応用できると述べています。低空経済を例にとると、気象条件は低空飛行の安全に影響を与える重要な要素です。低空飛行は、上昇気流が強く変化の激しい大気環境の中で行われるため、離陸から着陸まで気象条件に細心の注意を払う必要があります。AI気象予報大モデルは、無人機などの低空飛行体の安定した運行を支えることができます。

予報精度に関しては、「天資・12h」人工知能気象予報大モデルは、従来の予報と比較して、最初の6時間の降雨予報精度が最大36%向上しました。