Cohere社は本日、企業ユーザー向けに安全なワークスペースを提供することを目指した最新のAIプラットフォーム「North」を発表しました。これは、MicrosoftのCopilotやGoogleのVertex AIに直接対抗するものです。Cohere社は、この新しいプラットフォームが金融、人事、カスタマーサポート、ITなど複数の分野で、これら2つのテクノロジー大手よりも優れた性能を発揮すると主張しています。
「North」は、大規模言語モデル、検索機能、自動化ツールを組み合わせ、安全なパッケージとして提供することで、企業は機密データの管理を維持しながら、AIテクノロジーを効率的に展開できます。このプラットフォームは、プライベートクラウド環境またはオンプレミスでのインストールに対応しており、特に金融や医療など規制の厳しい業界向けに設計されています。
Cohere社による内部テストでは、自動化テストではMicrosoft CopilotとGoogle Vertex AIが良好なパフォーマンスを示しましたが、人的評価では「North」が常に安定した精度を維持し、競合製品のパフォーマンスは明らかに低下しました。Cohere社のCEOであるエイダン・ゴメス氏は社内書簡で、「AI市場は成熟しつつあり、企業はこの技術の可能性に気づき始めています」と述べています。
カナダロイヤル銀行はCohere社と協力し、金融機関向けに「North」の専用バージョンを開発しています。これは、このプラットフォームが企業で初めて本格的に導入されたことを示しています。
「North」に搭載された検索システム「Compass」は、画像、プレゼンテーション、スプレッドシート、ドキュメントなど、様々なデータタイプと複数の言語に対応できます。内部テストの結果、このシステムを使用することで、タスクの完了時間が80%以上短縮されました。
ゴメス氏は、企業が必要としているのは、単に調整された消費者向けAIチャットボットではなく、真に彼らのニーズに応えることができるパートナーであると指摘しています。彼は、Cohere「North」は金融およびIT業務において特に優れたパフォーマンスを発揮し、一方Microsoft CopilotのITタスクにおける精度はわずか29%であったと述べています。
企業のAI技術への需要の高まりに伴い、Cohere「North」の登場は、企業におけるAI技術の導入方法を変える可能性があります。ゴメス氏は、将来すべての企業がAI企業になるため、迅速で安全、かつ展開可能なソリューションが必要であると強調しています。
現在、「North」は、金融、医療、製造、重要インフラなどの業界向けにアーリーアクセスプログラムを通じて提供されており、Cohere社はこれにより、企業におけるAIアプリケーションの安全性とカスタマイズ性を再定義することを目指しています。
要点:
🌟 Cohere社が「North」を発表。企業向け安全なAIワークスペースを提供し、MicrosoftとGoogleの製品に挑戦。
🔍 搭載されたCompass検索システムは、様々なデータタイプを効率的に処理し、タスク完了時間を大幅に短縮。
🏦 カナダロイヤル銀行が「North」のアーリーユーザーとなり、金融業界向け専用バージョンの開発を実施。