アップルが最近発表した研究によると、同社は「ELEGNT」という新しいフレームワークを開発中で、非人型ロボットにより自然で表現力豊かな動きをさせることを目指しています。これは、将来の家用ロボット開発に新たな方向性を切り開く可能性があります。

研究チームは、ピクサーのアニメーション映画『ルクソーJr.』のランプのようなロボットを原型に、6軸の機械アームと、照明や投影機能付きのヘッドを搭載したロボットを使用しました。ELEGNTフレームワークにより、研究者たちはロボットに機能的なタスクを実行させるだけでなく、動作を通して意図、感情、態度を伝えることができるようにしました。

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ランプ型ロボットのために開発された表現力豊かな動作の語彙を示すビジュアルガイド。基本的なジェスチャーと空間行動が含まれています。(出典:Apple)

21人の参加者によるテストでは、表現力豊かな動作が、特に音楽の再生や会話などのソーシャルタスクにおいて、ユーザーのロボットへの関与度を大幅に向上させました。しかし、研究では高齢者の表現力豊かなロボットの動作に対する受容度が低いことも判明し、将来のロボットの行動はユーザーの好みに合わせてカスタマイズする必要があることを示唆しています。

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このロボットの機能範囲は広く、読書灯などの実用的なタスクから、創造的な提案や遊びの伴侶としてのソーシャルインタラクションまで多岐に渡ります。(画像出典:Apple)

アップルの研究者たちは、ロボット設計が根本的に変化しつつあると指摘しています。未来の鍵は、ロボットにタスクを実行させるだけでなく、どのようにして自然に人間の生活空間と融合させるかにあるでしょう。これは、ロボット開発にアニメーターや行動心理学者が共同で参加する必要があることを意味します。

この研究は、2025年7月にマデイラ島で開催されるデザインインタラクションシステム会議で発表される予定です。家庭用ロボットの普及が進みつつある中、機能性と表現性のバランスをどのように取るかが、その成功を左右する重要な要素となるでしょう。