スウェーデンのEcoDataCenter(EDC)は先日、4億7800万ドル(約4億5000万ユーロ)の資金調達に成功したと発表しました。これは、増加の一途を辿る人工知能(AI)の計算需要に対応するためです。今回の資金調達は匿名の機関投資家グループから提供され、EDCは、この資金をより環境に優しい技術の開発と新型データセンターの建設に充てる予定です。

この資金調達に関するニュースは、EDCの主要顧客であるAI計算の大手CoreWeaveが2日前に米国で新規株式公開(IPO)を申請した後に発表されました。これにより、EDCの累積資金調達額は9億1000万ユーロ(約9億6600万ドル)に達しました。AreimホールディングスがEDCの親会社であるものの、同社の評価額は公表されておらず、EDCの分割も検討していないとのことです。Areimの投資マネージャーであるロバート・ビョーク(Robert Björk)氏は、「私たちはEcoDataCenterの規模拡大と長期的な価値創造に注力しており、将来のIPOは積極的に追求する目標ではありません」と述べています。

お金 資本 資金調達

EDCは、より持続可能なコローケーションデータセンターの構築に尽力しており、顧客は自社のサーバーや関連ハードウェアを持ち込むことができます。国際エネルギー機関(IEA)の調査によると、大規模データセンターの電力需要は非常に大きく、通常は100メガワット(MW)を超え、年間の電力消費量は35万~40万台の電気自動車の総需要に相当します。IEAは、データセンターの電力消費が世界の電力消費の1%を占めると推定しています。

このような背景の下、EDCは計算能力の需要を満たすだけでなく、環境に配慮した方法で業界の変革を推進しようと努めています。EDCの最高経営責任者(CEO)であるピーター・ミシェルソン(Peter Michelson)氏は、「当社は、クロス積層木材を使用してデータセンターを建設した世界初の企業であり、現在ではマイクロソフトもこの流れに追随しています」と述べています。EDCはまた、再生可能エネルギーを使用して建物を給電し、より効率的な冷却と運用材料を継続的に探求しています。

EDCの顧客には、DeepLやいくつかの「大規模」企業が含まれます。これらの大企業は自社でデータセンターを構築することもありますが、負荷のバランスを取るためにEDCなどのサードパーティが提供するコローケーションスペースも利用しています。注目すべきは、EDCとCoreWeaveが協力して、スウェーデンのファールン町に、NVIDIAと共同開発したBlackwellクラスターの最初のものを建設し、ヨーロッパの計算能力を強化したことでしょう。

今回のEDCの資金調達の規模は、特にAIブームの中で、データセンターの価値、特にコローケーションデータセンターが顧客の資本支出の大幅削減に不可欠であることを浮き彫りにしています。世界中でデータセンター業界へのインフラ投資が殺到しており、新興テクノロジーと不動産の融合の代表となっています。