最近、米国のソフトウェア企業ServiceNowが、AIアシスタントプロバイダーのMoveworksを買収する交渉を行っているとの報道がありました。この取引は、ServiceNow史上最大規模の買収となり、取引額は約30億ドルに上る可能性があります。情報筋によると、両社の協議は最終段階に入っていますが、遅延や交渉決裂の可能性も残されています。
Moveworksは2016年に設立され、AI駆動の従業員アシスタントツール開発に特化しています。ユニリーバ、GitHub、ブロードコムなど、多くの有名企業を顧客に抱えています。2021年の資金調達ラウンドでは、Kleiner Perkins、Lightspeed Venture Partners、Bain Capital Venturesなどの投資家から資金調達を行い、21億ドルの評価額を獲得しました。
CEOのビル・マクダーモット(Bill McDermott)が率いるServiceNowは、企業のITおよび人事オペレーションの簡素化に注力しています。近年、同社は生成AI技術を製品に積極的に取り入れ、企業の業務効率向上を目指しています。今年1月には、Google Cloudとのパートナーシップを拡大し、ServiceNowプラットフォームをGoogle Cloud Marketplaceに掲載することで、企業がワークフロースリューションをGoogle CloudのAI、データ分析、生産性向上ツールと連携できるようにしました。
インタビューで、ServiceNowインド地区ゼネラルマネージャーのスミット・マツール(Sumeet Mathur)氏は、近年、多くのインドIT企業、グローバル大手テクノロジー企業、さらにはDatabricksやSnowflakeのような企業が、ServiceNowと競合するのではなく、協力することを選んでいると述べました。これはServiceNowの市場における影響力の大きさを示しています。
ServiceNowは10年以上にわたってAI分野で経験を積んできました。そのため、生成AIへの移行は一朝一夕で実現したものではありません。3年前、ServiceNowはElement AIを買収し、大規模言語モデル(LLM)における進歩の基礎を築きました。マツール氏は、ServiceNowの生成AI製品は特定のユーザー中心であり、従業員、代理店、開発者向けにカスタマイズされたソリューションを提供することを目指していると強調しました。
要点:
🌟 ServiceNowがMoveworksの買収交渉中、取引額は約30億ドル。
🤖 MoveworksはAI駆動の従業員アシスタントツールに特化、多くの有名企業を顧客に持つ。
🌐 ServiceNowとGoogle Cloudが連携強化、プラットフォームをGoogle Cloud Marketplaceに掲載し、企業の効率向上を促進。