先日開催されたHuman [X]カンファレンスにおいて、AIスタートアップ企業Anthropicの最高製品責任者マイク・クリーガー(Mike Krieger)氏は、同社がハードウェアやコンシューマーエンターテインメント分野に進出する予定はなく、企業向けの汎用基盤モデルの開発に注力すると発表しました。Claude AIの開発者であるAnthropicは、アマゾンとグーグルの支援を受け、様々な業界に実用的なAIソリューションを提供することを目指しています。
クリーガー氏によると、Anthropicはコード作成から知識労働まで、ユーザーの業務を支援したいと考えています。同氏は、同社のClaude AI製品は、月額20ドルの消費者向けClaude.ai、中小企業向けのソリューション、そしてエンタープライズ向け製品など、複数の層に分かれていると述べています。Claudeの消費者向けアプリも存在しますが、子供の学校の予定管理など、エンターテインメントではなく実用的な用途が中心です。
OpenAIとは異なり、Anthropicは自社でハードウェア製品を開発する予定はなく、アマゾンと提携し、アマゾンAlexaプラットフォームの600億台のデバイスを活用してAIアプリケーションを提供します。クリーガー氏によると、アマゾンとの連携により、Anthropicは複雑なアプリケーションに最先端モデルと専門知識を提供でき、アマゾンはグローバルな配信チャネルを提供します。
さらに、クリーガー氏は、AnthropicがClaudeのマルチモーダル能力、特に視覚能力の向上に取り組んでおり、既存の知能を最大限に活用しようとしていると強調しました。研究主導型の企業であるAnthropicは、製品開発と研究のブレークスルーのバランスを取り、変化する市場ニーズに迅速に対応できるよう努めています。AIがエンジニアの仕事を奪うという懸念もある一方で、クリーガー氏は同社が引き続きエンジニアを採用しており、AIツールによってデザイナーやプロダクトマネージャーのプロトタイピングがより効率的になると考えていると述べています。
要点:
- 🤖 Anthropicは企業向けのAI基盤モデル開発に特化しており、ハードウェアやコンシューマーエンターテインメント市場への進出は予定していません。
- 🌐 アマゾンとの連携により、Anthropicは複雑なアプリケーションにおいて最先端技術を提供し、アマゾンの巨大なデバイスエコシステムを活用することができます。
- 🔍 同社はAIのマルチモーダル能力、特に視覚能力の向上に注力し、より実用的なアプリケーションを実現しようとしています。