先日、GPUクラウドサービス企業CoreWeaveは、OpenAIと119億ドル規模の戦略的提携契約を締結したと発表しました。この契約は5年間有効です。契約内容によると、CoreWeaveはOpenAIのAIモデルのトレーニングと提供に必要なコンピューティングパワーを提供します。この大規模な取引は、両社の人工知能分野における深い協力関係を示しています。

提携の一環として、CoreWeaveはOpenAIに3.5億ドル相当の株式を発行し、OpenAIはCoreWeaveの株主の一人となります。しかし、CoreWeaveはこの株式発行から直接的な利益を得ることはありません。CoreWeaveの共同創設者兼CEOであるマイケル・イントラター(Michael Intrator)氏は、この協力関係はCoreWeaveが世界トップレベルのAI研究所に高性能インフラサービスを提供できる能力を示しており、AIイノベーションへの長期的なコミットメントを強調していると述べています。

人と機械の協働

画像出典:AI生成画像、画像ライセンス提供元Midjourney

OpenAIのCEOであるサム・アルトマン(Sam Altman)氏も、この協力関係について前向きな見解を示し、高度なAIシステムには強力な計算能力が必要であり、CoreWeaveとの協力関係はそれを実現するための重要なステップであると述べています。この協力関係は、OpenAIのインフラ構成を強化するだけでなく、マイクロソフトやオラクルなどの企業とのビジネス提携をうまく補完するものです。

CoreWeaveは2017年の設立以来、強力なGPUクラウドサービスにより急速に成長を遂げています。2024年の売上高は19.2億ドルに達し、2023年と比較して8.4倍増加しました。その約3分の2はマイクロソフトからのものです。AI計算需要の急激な増加に伴い、CoreWeaveの資本市場におけるパフォーマンスも注目を集めており、2024年5月には75億ドルの資金調達を成功させ、今後数週間以内に新規株式公開(IPO)を行う予定です。

この取引は、CoreWeaveとOpenAIの技術と市場における協力関係の深化を示すだけでなく、将来のAI技術の発展にも新たな弾みを与えます。両社の資源統合と技術協調により、さらなるイノベーションが促進され、人工知能業界の急速な発展が期待されます。