最近、Y Combinator支援のスタートアップ企業Flower Labsが、分散型クラウドプラットフォーム「Flower Intelligence」のプレビュー版を発表しました。このプラットフォームはAIモデルのサービス提供を目的としており、Mozillaは既にこの技術を、間もなくリリースされるThunderbirdメールクライアントのAssistサマリープラグインで活用し始めています。
Flower Intelligenceのユニークな点は、モバイルデバイス、パソコン、ウェブアプリでローカルなAI処理をサポートし、ユーザーが許可した場合、自動的にプライベートクラウドに切り替えることができる点です。この設計により、アプリケーションはデフォルトでローカルでAIモデルを実行し、速度とプライバシーを確保しつつ、より多くの計算能力が必要な場合は、Flowerのクラウドにシームレスに切り替えることができます。
マイクロソフトやアップルなど、多くの巨大テクノロジー企業は既に、自社のOSやデバイスで同様のアプローチを採用しています。しかし、Flower Labsは、MetaのLlamaシリーズ、中国のAIラボDeepSeekのモデル、Mistralモデルなど、オープンモデルを基盤としたハイブリッドクラウドネイティブAIプラットフォームを構築した最初の企業の一つです。
Flower Labsは、クラウドサービス「Flower Confidential Remote Compute」が、エンドツーエンドの暗号化などの技術を用いてユーザーの機密データを保護していると主張しています。Mozilla ThunderbirdのマネージングディレクターであるRyan Sipes氏は、Flower Intelligenceによって、Mozillaは最も機密性の高いデータをローカルで処理するAIソリューションを提供できるようになったと述べています。
今週火曜日から、開発者はFlower Intelligenceの早期アクセス権を申請できます。Flower Labsは、近い将来、より幅広いサービス提供と、モデルのカスタマイズ、ファインチューニング、「フェデレーション」トレーニングなどの機能導入を計画しています。
さらに、Flower Labsは3月26日にロンドンでオンラインとオフラインの両方のサミットを開催し、Flower Intelligenceの詳細と機能について発表する予定です。
2023年の設立以来、Flower Labsは、Felicis、Hugging FaceのCEOであるClem Delangue氏、Betaworks、Pioneer Fundなどから約2360万ドルのベンチャーキャピタルを調達しています。初期には、オープンソースブラウザのBraveとも提携していました。
要点:
🌐 Flower Labsが発表したFlower Intelligenceプラットフォームは、AIモデルのローカルとクラウドのインテリジェント処理をサポートします。
🔒 このプラットフォームはエンドツーエンドの暗号化技術を採用し、ユーザーデータの安全性を確保します。
🚀 開発者は現在、早期アクセス権を申請でき、将来的にはさらに多くの機能が追加される予定です。