情報筋によると、AIエージェントManusを運営する中国のスタートアップ企業、Butterfly Effect(バタフライエフェクト)が、米国のベンチャーキャピタルと新たな資金調達ラウンドについて協議しており、目標評価額は5億ドルに達し、前回の評価額から約5倍に増加する見込みです。同社は現在、数千万ドルの資金調達を目指しており、グローバルなAI製品の影響力を拡大することを目指しています。
Manusは、旅行予約や株式分析など、さまざまなタスクを実行できるAIエージェントであり、ソーシャルメディアプラットフォームX(旧Twitter)で大きな注目を集めています。その人気は、中国製のAI製品に対する米国市場の関心の高まりに一部起因しており、これは中国のクオンツヘッジファンドDeepSeekの成功と密接に関連しています。Butterfly Effectのターゲット市場は主に米国ですが、中国でもManusサービスを提供開始しており、最近ではアリババグループとの提携を発表し、国内のAIモデルと計算プラットフォームを活用して運営しています。
画像出典:AI生成画像、画像ライセンス提供元Midjourney
近年、米中間の技術競争が激化し、米国による中国へのAI投資の審査も厳格化していますが、Butterfly Effectは依然として米国のベンチャーキャピタルからの支援を求めています。関係者によると、Butterfly Effectは基盤となる大規模言語モデルのトレーニングではなく、Manusなどのアプリケーション開発に注力しているため、米国の投資禁止措置の対象となる可能性は低いとのことです。DeepSeekの成功に伴い、中国のAIイノベーションに注目する米国の投資家が増えています。
Butterfly Effectは、前回の資金調達を昨年末に完了しており、評価額は約1億ドルでした。このラウンドはテンセントとセコイア・キャピタル・チャイナがリードインベスターを務め、真格基金も参加しました。今回の資金調達により、Manusのユーザー規模の拡大が期待されており、現在、サーバー容量と運用コストの制約により、製品需要を完全に満たせていません。報道によると、ManusはAnthropicのClaude AIモデルを使用する際に、タスクごとに平均約2ドルの費用がかかり、サービス開始から最初の2週間でClaudeモデルへの支出は100万ドルを超え、招待コードを待っているユーザーは260万人を突破しています。
さらに、Butterfly Effectは東京に中国国外初のオフィスを開設する計画であり、日本市場への進出戦略の一環となります。今回の資金調達により、製品の拡大だけでなく、グローバルなチームの強化も支援されます。