視覚効果(VFX)は現代の映画制作において不可欠な要素となっていますが、その高コストは、予算の限られたインディーズ映画制作者にとって大きな障壁となっていました。韓国の急成長テクノロジー企業Beeble AIは、革新的な技術によってこの現状を変え、インディーズ映画制作者やコンテンツクリエイターに平等な競争の機会を提供しています。

資料によると、Beeble AIは2022年に、Krafton社のAI研究チームで勤務経験のある5人の専門家によって設立されました。同社の主力製品であるSwitchLight Studio(近日中にVirtual Studioに名称変更予定)は、デスクトップアプリケーションで、仮想環境下で再照明や構図調整機能を提供します。

AI、人工知能、ロボット

画像出典:AI生成画像、画像ライセンス提供元Midjourney

同社の最高経営責任者兼共同創設者であるHoon Kim氏は、「10名にも満たない小規模チームでも、ハリウッドの大作に匹敵するコンテンツ制作を可能にすることを目指しています」と述べています。Kim氏は、従来のバーチャルプロダクションでは高価なLEDウォールが必要でしたが、Beebleのプラットフォームではスマートフォン1台で実写の俳優を仮想世界に配置でき、制作コストを大幅に削減できると説明しています。

Beeble AIの中核技術は、基礎モデルであり、2D映像を正確な3D表現に自動的にデジタル化することができます。これにより、アーティストは、再撮影することなく、ポストプロダクションで自由に照明、環境、カメラアングルを調整できます。

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同社は最近、Basis Set Venturesがリードインベスターを務めるシードラウンドで475万ドルの資金調達を行い、評価額は2500万ドルに達しました。Beeble AIは、新たな資金を活用して基礎モデルの研究開発、製品の改良、チームの拡大を推進する予定です。

インディーズ映画制作者向けのB2C市場に加え、Beeble AIは、連続ドラマを専門に制作する短編動画ストリーミングアプリReelShortなどのB2B分野もターゲットにしています。同社は昨年10月から黒字化しており、モバイルアプリSwitchLightは約300万ダウンロードを達成しています。

生成AI企業とは異なり、Beebleは、その技術が予測可能性と操作性を備えており、クリエイターがプロジェクトの細部を完全に制御できることを強調しています。Kim氏は、「魅力的なストーリーを語るには、環境、キャラクター、カメラ、照明など、プロジェクトの細部を完全に制御する必要があります」と述べています。

Beeble AIの革新は、インディーズ映画制作に新たな活力を吹き込み、より多くの創造的な作品が観客の前に届けられることを期待されています。