世界中で人工知能(AI)が急速に普及する中、小米集団は静かに具象知能事業の展開を進め、次のAIブームで優位に立つことを目指しています。36氪の報道によると、小米はロボット工学の権威である王田苗氏と共に、「小雨智造」という具象知能テクノロジー企業に投資しました。これは、小米が具象知能分野の企業に初めて投資した事例となります。

2023年2月に設立された「小雨智造」は、既に数億元規模のシードラウンド資金調達を完了しています。その中心となる創業チームは、全員が小米の元幹部です。創設者の喬忠良氏はかつてMIUIの開発責任者を務め、共同創設者の王文林氏は小米のソフトウェアシステムプラットフォーム部門のゼネラルマネージャーを務めていました。チームの他のメンバーは、ファーウェイ、バイトダンス、マイクロソフトなどの一流テクノロジー企業出身です。

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「小雨智造」の中核となる理念は、「一脳多形」の具象知能ロボットです。これは、高い汎化能力を持つ知能体が、様々なシーンで異なる形態のロボット本体を制御することを意味します。同社は既に、重工業分野の大手企業から溶接ロボット100台分の受注を獲得し、最初の製品の共同運用を開始しています。

同時に、小米社内でも積極的に事業展開を進めています。2021年、小米はロボット研究所を設立し、全サイズの人型バイオニックロボットCyberOneとバイオニック四足歩行ロボットCyberdogを発表しました。2023年には、この事業を分離し、「北京小米ロボット技術有限公司」を設立、亦庄国投からの戦略投資も獲得しました。

小米の創設者である雷軍氏は、CyberOneの背後にある技術は全て小米が独自開発したもので、莫大な投資が行われたと述べています。今後、CyberOneは小米自動車工場の製造ラインで「研修」を行い、産業現場における人型ロボットの応用を探ります。

社内育成と外部投資を並行する戦略を通じて、小米は具象知能分野への展開を加速させています。この「二兎追う」戦略は、小米により多くの可能性を提供し、AIの次の波で先手を打つことを期待できます。小米の動きは継続的に注目に値し、業界全体に新たな変革と機会をもたらす可能性があります。