自然に着想を得た手法を用いて人工知能の発展を推進することに特化した企業、Sakana AIは本日、科学研究の様相を一変させる可能性のある技術「AI科学者」を発表しました。これは、斬新なアイデアの着想から科学論文の執筆まで、AIが単独で研究作業をすべて行う包括的なシステムです。

同社によると、AI科学者システムは、研究アイデアの生成、コードの記述、実験の実行、結果の要約、さらには発見を視覚的に提示し、最終的に完全な科学論文を作成することなど、研究のライフサイクル全体を自動的に実行できます。さらに、システムは自動的な査読を行い、人間の精度に近い正確さで生成された論文を評価することも可能です。

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このシステムの設計理念は、人間の科学界の働き方を模倣することで、アイデアを繰り返し改良し、発展させ、絶えず成長する知識ベースに新たな知見を加えることです。最初のデモンストレーションでは、AI科学者は拡散モデル、トランスフォーマー、深層理解など、機械学習研究の複数のサブ分野で新たな貢献を発見しています。

Sakana AIは、AI科学者の設計において計算効率に重点を置いていると強調しています。論文1本あたりの実装と開発コストは約15ドルです。第一版システムが生成する論文にはいくつかの欠点がある可能性がありますが、その潜在能力と費用対効果は、AI科学者が研究活動をより民主化し、科学の進歩を大幅に加速させる可能性を示唆しています。

論文アドレス:https://arxiv.org/pdf/2408.06292

公式サイト:https://sakana.ai/ai-scientist/