医療スタートアップ企業Pharosは最近、病院が外部の臨床登録機関に質の高いレポートを提出する煩雑なプロセスを簡素化する革新的なAIソリューションを発表しました。同社は、Felicisがリードインベスターを務める500万ドルのシードラウンド資金調達を完了したばかりで、General Catalyst、Moxxie、Y Combinatorも投資家として参加しています。
現在の医療システムでは、米国医療保険医療給付サービスセンター(CMS)などの機関への質の高いレポートの提出は非常に時間のかかる作業です。医療従事者は、各患者の電子健康記録から手動でデータを取り出す必要があり、1件の処理に最大8時間かかる可能性があります。これは、人的資源の大量消費につながるだけでなく、医療従事者の患者ケアへの注意をそらすことにもなります。
画像出典:画像はAIによって生成され、画像ライセンス提供元はMidjourneyです。
Pharosは、Felix Brann、Matthew Jones、Alex Clarkeの3人の創業者によって設立されました。彼らは医療データ処理分野における豊富な経験を活かし、電子健康記録から非構造化データを自動的に抽出し、登録フォームに入力するAIシステムを開発しました。特に注目すべきは、共同創業者のAlex Clarkeが現役医師であり、ロンドン帝国大学で人工知能の博士号を取得していることです。
FelicisのパートナーであるRyan Isono氏は、Pharosの強みは、明確なニーズがありながら競争の少ないニッチ市場をターゲットにしている点にあると述べています。このソリューションは、病院のコスト削減に役立つだけでなく、医療従事者が患者ケアにより多くの時間を割けるようにすることもできます。
現在、チーム規模は小さいものの、Pharosは新たな資金調達を活用してチームを拡大し、製品のプロモーションと顧客関係の維持を強化する計画です。創設者のBrann氏は、同社の将来に自信を持っており、病院での販売・導入経験とAI技術力という独自の組み合わせが、将来の市場競争において同社の優位性を確立すると考えています。