Humane社は最近、自社開発のOS「CosmOS」の可能性を示す動画を公開しました。この動画では、CosmOSが自動車、テレビ、スマートスピーカー、スマートフォンなど、様々なデバイスで活用できる可能性を示唆しています。しかし、動画で示された魅力的なシーンの数々にも関わらず、Humane社は、この動画は「説明目的」であり、表示されている機能とデザインは「動作プロトタイプ」と「シミュレーション体験」であり、変更される可能性があると強調しています。

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動画では、ユーザーがCosmOSを通じて様々なデバイスとインタラクションする様子が紹介されています。例えば、車内でハンドルを使って自宅の暖房を操作したり、スマートスピーカーにアボカドディップのレシピを尋ねたり、テレビでサッカー選手のゴール数を調べたり、スマートフォンでメールの会議予定を処理したりといったシーンです。これらのアプリケーションは、CosmOSの強力な代理機能を示しており、将来のデバイスの中核となるOSを目指していることが分かります。

しかし、動画に登場するデバイスはHumane社自身の製品ではなく、CosmOS SDKを使って開発されたものです。Humane社はこれらのデバイスを自社で製造するとは約束しておらず、むしろ他の企業に開発ツールを提供することに注力しています。現在、CosmOS SDKはまだ一般公開されていません。「近日公開」と発表されていますが、現時点では登録ページからしか連携に関する情報を取得できません。

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AI Pin製品の失敗後、Humane社は明らかに新たな事業方向を探しています。4月に発売されたAI Pinは振るわず、1日の返品数が販売数を上回ったと報道されています。販売促進のため、Humane社は発売から6ヶ月も経たないうちにAI Pinの価格を値下げしました。最近では、Humane社が買収先を探しており、HPが潜在的な買収候補として挙げられているとの報道もあります。

Humane社はCosmOSを将来の人工知能デバイスの潜在的な基盤として位置づけていますが、それが実際にメーカーの協力を得て市場に普及するかどうかはまだ分かりません。AI Pinの失敗は同社に大きな課題を突きつけていますが、CosmOSは同社の将来的な転換の鍵となる可能性を秘めています。