ボストン・ダイナミクス社は先日、従業員の5%、約45名のレイオフを発表しました。同社広報担当者によると、今回のレイオフはほぼ全ての部署に及んでおり、同社の財政難を反映しているとのことです。
同社の最高経営責任者(CEO)であるロバート・プレイ氏は、従業員宛ての手紙の中で、メディアからのロボットへの高い注目度にも関わらず、同社の事業展開は期待通りには進んでいないと率直に述べています。
画像出典:画像生成AI Midjourney
ボストン・ダイナミクス社は、人気の4足歩行ロボット「Spot」を製造することで知られています。プレイ氏の手紙によると、「Spot」は産業や政府機関の顧客の間で着実に増加しており、「Stretch」ロボットも物流や小売分野で徐々にその価値を示しつつあり、人型ロボット「Atlas」の開発も順調に進んでいるものの、同社は現在、深刻な資金繰り問題に直面しているとのことです。同氏は、現在の資金消費速度が事業収入の増加を上回っており、持続可能な発展を実現するためには、運営と生産プロセスを簡素化する必要があると述べています。
ボストン・ダイナミクス社が属する市場競争は激化しており、特に人型ロボット分野では顕著です。テスラ、Agility Robotics、Figure AIなどの企業が積極的に資金調達を行い、同様のロボット技術の市場化を推進しています。ボストン・ダイナミクスの「Spot」ロボットは2019年の発売以来、ニューヨーク市消防局や新型コロナウイルス感染症流行初期の病院など、様々な場所で活用されてきましたが、同社は依然として、この注目を安定した長期的な収益に転換することに苦戦しています。
さらに、ボストン・ダイナミクスの「Stretch」ロボットは、重い物の搬送や反復作業を行うために、既に倉庫での自律運転を開始しています。同社は、全電動式の人型ロボット「Atlas」の発売も計画しており、近いうちに発売される予定です。
多くの新製品と市場機会を有しているにもかかわらず、最新のレイオフ発表は、ボストン・ダイナミクスの持続可能な発展に警鐘を鳴らすとともに、ロボットや人工知能分野に取り組む他の企業にも示唆を与える可能性があります。
要点:
🦾 ボストン・ダイナミクス社は従業員の5%、約45名をレイオフ。ほぼ全ての部署に影響。
💰 資金消費が急速に進み、持続的な成長のためには運営の簡素化が急務。
🤖 市場競争の激化により、テスラなどの企業からの圧力に直面。メディアの注目を収益に転換することに苦戦。