テクノロジー界の巨匠イーロン・マスク（Elon Musk）率いるAIスタートアップ企業xAIは、2月17日午後8時（太平洋時間）に最新のチャットボットGrok3を発表する予定です。マスク氏はGrok3を「地球上で最も賢いAI」と呼び、AI大規模モデル競争が激化する中で発表されます。Grok3のモデルは合成データでトレーニングされており、データの繰り返し精査を通じて論理的一貫性を達成し、自身の誤りを反省し修正することができます。
Grok3最大の特長は、「思考連鎖」（Chain Of Thought）推論能力の導入です。この新機能により、Grok3は人間のように複雑なタスクを段階的に処理し、複雑なクエリへの対応能力を大幅に向上させ、より一貫性があり論理的な応答を提供します。さらに、推論、プログラミング能力、テキストと画像の分析などのマルチモーダル機能においても大幅な向上が見られます。
2023年11月に発表されたGrok1以来、Grokシリーズは進化を続けています。Grok1は主に合成データに依存していたため、現実世界の複雑な状況への対応に劣っていました。Grok2はこれを改善し、少量の高品質な実データを取り入れることで、現実世界の状況でのパフォーマンスが向上しました。しかし、xAIの大規模モデル競争における進捗は比較的遅く、特にOpenAIなどの主要な競合他社と比較すると遅れを取っています。
Grok3発表に先立ち、OpenAIはGPT-4oモデルの知能レベルがo3proレベルにまで向上し、現在最高のAI検索製品になったと発表しました。同時に、xAIのGrok3発表はマスク氏の以前の予想よりも遅れています。昨年夏、マスク氏はソーシャルメディアでGrok3を2024年末に発表すると述べ、10万枚のH100GPUでトレーニングされると予想していました。
さらに、xAIはデルと次世代GB200GPUサーバーの購入について交渉中で、取引額は50億ドルを超えると予想されています。この戦略を支えるため、マスク氏はxAIに約100億ドルの資金調達を行い、評価額は750億ドルに達すると予想されています。しかし、OpenAIの1500億ドルの評価額と比べると、xAIはまだ見劣りします。
注目すべきは、マスク氏が最近、OpenAI買収競争に参加したことです。彼が率いるコンソーシアムは974億ドルでOpenAIの買収を提案しましたが、OpenAIはこれを拒否しました。マスク氏はOpenAIの営利性を批判し、裁判所に営利組織への転換を阻止する申請を提出しました。この紛争は、マスク氏とOpenAIの緊張関係を示すと同時に、現在のAI分野における激しい競争の状況を反映しています。
