テスラ社の株主数名が最近、デラウェア州で訴訟を起こし、同社CEOのイーロン・マスク氏と取締役会が、同氏の競合AI企業xAIに意図的に同社の人材と資源を流用したと非難しています。2023年に設立されたこの企業の目的は「宇宙の真の性質を理解すること」です。株主らは、マスク氏と取締役会がxAIを設立することで、テスラ社に対する信託義務に違反したと主張しています。
マスク氏は長年、テスラ社を単なる自動車会社ではなく、ロボットとAIの強国として位置づけようとしてきました。この主張はテスラ社の株価上昇を後押しし、同社の価値は主要自動車メーカー全体の価値を上回りました。しかし同時に、訴状には「マスク氏はテスラ社からxAIに貴重な人材と資源を移し、数十億ドルの資金調達を行いながら、xAIがテスラ社のAI関連データにアクセスできることを宣伝した」と記載されています。
テスラ社の株主らは、CNBCの最近の報道も引用し、マスク氏が本来テスラ社に納入されるはずだった数千個のNVIDIA製AIチップを、ソーシャルメディア企業に転用するよう指示したと非難しています。CNBCの記事公開後、マスク氏はxAIで、テキサス州オースティンにあるテスラの工場がまだ完成していないため、NVIDIAのGPUを受け取ることができなかったと説明しました。また、テスラ社は2024年にNVIDIAから30億~40億ドル相当のAIチップを購入すると推定しています。
株主らはまた、テスラ社の取締役会が何の措置も取らず、マスク氏が「テスラ社から資源を奪い、xAIに移し、別の企業で数十億ドル規模のAI関連価値を生み出した」ことを容認したと非難しています。
なお、今週発表された株主訴訟はこれだけではではありません。ある機関投資家が、マスク氏がインサイダー取引を利用してテスラ社の株式を売却し、数十億ドルの利益を得たと主張して訴訟を起こしています。