OpenAIは春のアップデートイベントで、ChatGPTの新たな機能群を発表しました。中でも注目を集めたのは、高度な音声モードとデスクトップアプリケーションです。しかし、これらの機能のリリースは順調とはいきませんでした。
高度な音声モードは、映画『her』でスカーレット・ヨハンソンが演じた仮想アシスタントとの類似性から論争を呼びました。OpenAIのCEOであるSam Altmanは、それを「人間レベルの応答時間と表現力」を持つと称賛しました。GPT-4を駆使したこの機能は、ユーザーの周囲の環境をリアルタイムで認識し、反応することで、より自然な会話を実現します。
当初「今後数週間以内」に全てのChatGPT Plusユーザーに提供される予定だった音声モードは、延期されました。OpenAIは、自社の基準を満たすにはもう1ヶ月必要だと述べ、現在はそのアルファ版を一部のPlusユーザーのみに限定して公開しています。「特定のコンテンツの検出と拒否」機能の改善に注力しており、秋には全てのPlusユーザーに公開する予定です。
画像出典:AI生成画像、画像ライセンス提供元Midjourney
同様に延期されたのが、新しいビデオと画面共有機能です。OpenAIは、具体的なリリース時期は、高い安全基準と信頼性基準を満たせるかどうかに依存すると述べています。
一方、ChatGPTのデスクトップアプリケーションは予定通りmacOSユーザー向けにリリースされました。ユーザーはOptionキーとSpaceキーを同時に押すことで、どこからでもChatGPTに素早くアクセスできます。Windows版は今年後半にリリースされる予定です。
以前は、このアプリケーションはChatGPT Plusの有料会員のみが利用可能でした。しかし現在、ChatGPTの有料会員かどうかに関わらず、全てのMacユーザーが無料でダウンロードして体験できます。
これらの遅延と論争は、AI技術の急速な発展に伴う課題を浮き彫りにしています。OpenAIは革新を進める一方で、安全と倫理の問題を慎重に考慮する必要があります。
公式サイト:https://openai.com/chatgpt/mac/