The Informationの報道によると、内部データから、OpenAIはAIモデルへのアクセス権の販売により、3月時点で年間売上高約10億ドルを達成したことが明らかになりました。これは、OpenAIが本格的な営業チームの構築を始めたのが昨年半ばになってからという点を考慮すると、特に注目すべき成果です。対照的に、世界最大の企業およびクラウドソフトウェア販売業者であるMicrosoftのAzure OpenAI Serviceは、最近になってようやく年間売上高10億ドルに到達しました。

OpenAIの急速な成長に対し、Microsoftはピーク時の使用料金の引き下げなど、Azure OpenAI Serviceの料金体系調整を含む一連の対策を講じています。Microsoftは、Azure OpenAI Serviceが1年後には年間売上高20億ドルに達すると予測しています。

AIロボットへの投資

画像出典:AI生成画像、画像ライセンス提供元Midjourney

Microsoftは強力な市場地位を有していますが、OpenAIと直接連携する企業が増えています。例えば、ヨーロッパの旅行予約サイトHoliday ExtrasはOpenAIと直接提携することで、年間80万ドルの人件費を削減しました。この傾向は、企業がAIの中核技術開発者から直接サービスを取得することを好むことを反映しています。

企業向けAIツール市場では、MicrosoftのCopilotとOpenAIのChatGPTが激しい競争を繰り広げています。Fortune 500企業の60%がCopilotを採用していますが、Microsoft Officeアプリケーションの企業向け売上高の伸びは鈍化しており、市場競争の激しさを示しています。

競争がある一方で、MicrosoftとOpenAIの協業は継続しています。両社は大型スーパーコンピュータの共同開発を進めており、MicrosoftはOpenAIの技術を自社製品で永続的に利用できます。財務面では、MicrosoftはOpenAIの成功から長期的な利益を得ることが期待されており、将来的には最大75%の利益配分を得る可能性があります。

両社は相互に利益を共有する仕組みも構築しており、MicrosoftとOpenAIはそれぞれ相手の売上高から一定の割合を受け取りますが、ほぼ相殺されています。現在、Azure OpenAI Serviceの粗利益率は約40%であり、更なる向上が見込まれています。OpenAIのAPI事業も、Microsoftと同等の粗利益率を達成すると予想されています。