OpenAIの取締役会長であるBret Taylor氏と、Googleの元幹部Clay Bavor氏が共同で設立したAIスタートアップ企業Sierraは、最近シリーズBラウンドの資金調達を完了し、1億7500万ドルの投資を獲得、企業価値は45億ドルに達しました。このラウンドはGreenoaks Capitalがリード投資家となり、ICONIQとThrive Capitalが共同で投資に参加し、Sierraの総調達額は2億8500万ドルとなりました。

SierraはAIカスタマーサービス分野に特化しており、WeightWatchersやSirius XMなどのブランドにインテリジェントなカスタマーサービスチャットボットサービスを提供しています。このプラットフォームのユニークな点は、「代理」機能であり、企業システムに直接接続し、人的介入なしに顧客に代わって様々なタスクを実行できる点です。

資金調達、投資

競争の激しいチャットボット市場において、Sierraは自社の技術が顕著な優位性を持つと主張しています。OpenAI、Anthropic、Metaなど複数の企業の生成AIモデルを統合することで、AIの「幻覚」(事実をでっち上げる)の発生率を大幅に削減するだけでなく、顧客は企業ブランドに合わせてAIのパーソナライズされた表現を調整でき、複数のモデルによるクロスバリデーションを利用して情報の正確性を確保できます。

創業チームの経歴は非常に強力です。Taylor氏はSalesforceで約10年間勤務し、以前設立したQuipはSalesforceに7億5000万ドルで買収されました。また、Facebookの最高技術責任者を務め、Google在籍時にはGoogleマップの設立にも携わっていました。特筆すべきは、Twitterの取締役会を監督し、マスク氏による同プラットフォームの買収プロセスを目の当たりにしたことです。共同創業者のBavor氏は、GoogleでGmailやGoogle Driveなどの重要なコンシューマー向け製品を担当していました。

企業のAIカスタマーサービスへの需要が継続的に増加する中、Sierraは創業チームの豊富な経験と技術革新により、競争の激しい市場で頭角を現しています。今回の資金調達は、SierraによるAIカスタマーサービス分野における技術革新と市場拡大をさらに推進するでしょう。