Business Insiderの報道によると、人工知能業界への投資と関心の高まりとともに、イーロン・マスク氏のxAIとサム・アルトマン氏のOpenAIの間で、人材獲得競争が激化しています。マスク氏は今年8月、OpenAIが「高額な報酬」で「競合他社を飢えさせる」と主張し、訴訟を起こしました。
マスク氏の給与に関する主張を検証するため、Business Insiderは両社の2024年以降の特殊ビザ申請の給与データを分析しました。その結果、両社とも一部の職種で業界平均をはるかに上回る高額な給与を提示しているものの、OpenAIの給与は特に標準的な給与範囲を大きく超えていることが分かりました。H-1Bなどの特殊ビザを持つ外国人労働者の雇用時に企業が提出する書類は、両社の給与の詳細を外部に知るための貴重な情報源となっています。
xAIの従業員数は現在約100名であるのに対し、OpenAIは約3,000名です。米国税関・国境警備局のデータによると、xAIは調査職の給与を業界平均より37％高く設定しており、OpenAIは87％も高く設定しています。給与範囲を具体的に見ると、xAIの専門ビザ申請職種の給与は25万ドルから50万ドルで、主任機械学習エンジニアの給与は現在の給与の約2倍です。OpenAIの特殊ビザ申請職種の給与は14.5万ドルから53万ドルで、一部の技術職の給与は現在の給与の3倍を超えています。
マスク氏とアルトマン氏は2015年にOpenAIを共同設立し、マスク氏は当初10億ドルの投資を約束した投資家の1人でした。しかし、2018年には、テスラの人工知能分野における潜在的な利益相反を理由に取締役会を辞任しました。
その後、マスク氏はOpenAIを繰り返し公然と批判し、同社が当初の目的から逸脱していると主張しています。今年、彼はOpenAIの反競争行為を主張する訴訟を起こし、自分が「騙された」と「操作された」と主張しています。これに対し、OpenAIの弁護士は、これらの訴訟はマスク氏が競争優位を得るために同社を執拗に悩ませているに過ぎないと反論しています。
マスク氏が2023年にxAIを設立して以来、同社は少なくとも9人の元OpenAI従業員を採用しており、その中にはxAIの共同設立者であるイーゴリ・バブシュキン氏も含まれています。今年4月には、テスラのエンジニアも採用されました。この人材獲得競争は、人工知能業界の激しい競争と、トップ人材への強い需要を反映しています。マスク氏は訴訟の中で、採用は会社の「最重要事項」であり、「どんな犠牲を払ってもトップ人材を獲得する」と主張しています。
なお、マスク氏、アルトマン氏、および両社の代表者は、これらの主張についてこれ以上のコメントは控えています。
